約1ヶ月の長い夏休みをいただいておりました注目作品コラムが、BUSHITSU TVとなって帰ってきました!
毎月の公開予定作品の中から福岡映画部メンバーが気になる作品を1本ずつ紹介しあいながら映画駄話を繰り広げるネット番組。その名も「 BUSHITSU TV 」!第1回目となる今回は、前月ご紹介しきれなかったおすすめ作品や、最近観たおすすめ作品も合わせてご紹介する特別版です。
BUSHITSU TVとは?
忙しい日々を送る皆さまに、少しでも映画情報をお届けしたい……!ということで、動画とテキストの二刀流でお届けしていきます。お仕事・勉強・家事のBGM代わりに、移動中の息抜きに。映画部の部室を覗くような温かーい目で…ぜひご覧ください!
出演メンバー: 石渡麻美(以下:石)、梅崎真理子(以下:梅)、上野瑠音(以下:上)
ガリーボーイ
石:じゃあ、まずうめちゃんです!うめちゃん注目作品はなんですか?
梅:10月、私が注目しているのは『ガリーボーイ』です!
石:『ガリーボーイ』とはどんな作品ですか?あらすじ担当、上野ちゃんです!
上:はい、あらすじ読みます。「ムラドは、雇われ運転手の父を持ち、スラムに暮らす青年。両親はムラドが今の生活から抜け出し成功できるよう、彼を大学に通わせるために一生懸命働いていた。しかしムラドは、生まれで人を判断するインド社会に憤りを感じ、地元の悪友とつるみ、内緒で身分の違う裕福な家庭の恋人と交際していた。ある日大学構内でラップをする学生MCシェールと出会い、言葉とリズムで気持ちを自由に表現するラップの世界にのめりこんでいく。そして “ガリーボーイ” (路地裏の少年)と名乗り、現実を変えるためラップバトルで優勝を目指す事を決意する……。」というあらすじの作品です。
石:どうしておすすめなんですか?
梅:すごい、上野ちゃんが読んでくれたらきれいな映画だと思うでしょ?でも本当はね、きれいというか、どっちかというと埃っぽい映像です。
石:うん、確かに公式サイトを見たらそんな感じ。
梅:ボリウッドといわれるよね、インドの映画は。(でもこの作品は)そんなハッピーな感じじゃなくて、今回はヒップホップというかラップの映画。多分、今アジアや中東らへんでラップが一つのムーブメントになってて。
石、上:そうなんだ!
梅:そう。なぜかっていうとラップってさ、嫌なこととかを表現できる手段だから。問題を抱えている地域が多いから、そういうラップっていうのは使われてて。あれもそう、『ソニータ』も。女の子がラップをする話だけど。
石:ユナイテッド・ピープルさんのね。(※福岡の映画配給会社さんです!)
梅:これも、インドで男の子がラップを武器に、格差社会ですよね、インドはわかりやすくカースト制度があるので。格差間の問題に対して、現代とはそれがそぐわないものも出てきてるので、実際に戦っていった実在するアーティストを基にした話なの。
石:あ、そうなんだ!
上:実在する人の話なんですね~!
石:いきなり食いついた(笑)。
梅:完璧フィクションじゃなくて、本当にこれが現在のインドで起こってることを映画にしてるから、ちょっと気になる。
石:なるほど。史実というか、現実?
梅:そうそう、実際にそういうアーティストがいて、それがガリーボーイ。そのガリーボーイをモデルにした映画があって。
石:サウンドトラックも結構押しで公式サイトに載ってるしね。
梅:うん、ちゃんとラッパーが入って曲も映画の中でしっかり作っていて。で、作った人が女性監督というところも注目しているポイントのひとつで。
石:そうなんだ!
梅:インド人なんだけど、ニューヨークで映画を学んだ人で。お母さんが脚本家とか、実は弟さんも映画監督で、っていうような映画監督ファミリーなんだけど。女性監督が描いた青年のラップや、身分の違う恋愛だったりだとか、社会アピールだったりっていうところは、男性が描くものとはまたちょっと違うところがあるような気がして。
石:目のつけどころがね~。
梅:そうそう、それも含めて気になっています。
石:実在のアーティストで、しかも現代で、しかも女性監督って言われるとそこはね、押さえておかねば。観たいですね~。
梅:ということで、『ガリーボーイ』!注目しています!
上:『ガリーボーイ』は10月25日からユナイテッド・シネマキャナルシティ13で公開予定です!( 小倉コロナシネマワールド、ユナイテッド・シネマなかま16、ユナイテッド・シネマトリアス久山でも25日より公開予定となっておりました。大変失礼いたしました! )
メランコリック
石:じゃあ次は上野ちゃんの注目作品です!
上:はい!私の注目作品は『メランコリック』です!
石:では、あらすじ担当なので、自分でね(笑)。
上:あらすじ担当です!自分で紹介します。「名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。そして同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり……。」という物語です。
石:はい来ました『メランコリック』。届いておりますね、波がね。どういう点が注目というか、おすすめでしょうか?
上:昨年の東京国際映画祭の日本作品で監督賞を受賞した作品ということで。
石:おめでとうございます!!
上:国際映画祭で何かしら賞を獲るとやっぱり気になる、というのは大きいですね。あと、もうひとつ、ウディネ・ファーイースト映画祭っていうヨーロッパで開催されるアジア作品の映画祭があるそうなんですよ。それで新人監督賞を獲ったんですが……。それは昨年、日本を風靡した『カメラを止めるな!』も受賞しているらしく。
石、梅:そうなんだー!へえー!
上:そう、だからこれは第二の『カメ止め』が来るんじゃないの!?と。
石:最近ね、やっぱりちょこちょこと、そういうインディペンデントも多いし、海外に出して受賞して戻ってくる作品も多いよね。
上:で、なんで『メランコリック』気になるかっていうと、私が銭湯好きっていうのもあるんですけど。
石:そうなの!?知らなかった!
上:銭湯大好きです。東京とか、京都とか旅行行ったときに絶対朝一で銭湯行ってから。朝着くことが多いので、朝風呂して旅行して夜風呂入って帰る。
石:めっちゃいい!
梅:私も銭湯好きで『湯を沸かすほどの熱い愛』とかめっちゃいいじゃん。でも、銭湯はね、殺す場所じゃないのよね。だから、私はそこが怖くて観れるかどうかが心配。
上:一瞬、ホラー要素というかグロテスクなイメージが強い風に思うかもしれないんですけど、公式サイトの紹介のほうで「ドラマ、サスペンス、コメディ、ホラー、恋愛など様々なジャンル、盛り込みながら」ってあるんですよね。
石:忙しい忙しい!!(笑)
上:そう、忙しい!変幻自在なストーリー展開が非常に注目を浴びたということで、最近の映画の紹介で ”変幻自在なストーリー展開” っていう言葉が使われたことがあったかなっていうのが引っかかって。変幻自在ってどう変わるんだろうっていうのをぜひ映画館で。どういう風に変わっていくのかを自分で変化の渦に飛び込みたいところはありますね。
石:最近は、われらが宇多丸師匠の(笑)。リスナーのおすすめで『メランコリック』入ってて、宇多丸さんも大絶賛されてる。
梅:福岡で上映されるっていうことは、それだけ注目度が高いっていうことだから。中心部だけじゃなくて、地方まで上映されるということは。
石:どこでやるの?
上:キャナルシティだけですね。
石:なんかさ、キャナル、あついよね。インディペンデント映画だけじゃないけど、ねえ。
梅:『カメラを止めるな!』も一番早かったもん、キャナルで。ダイニングシネマとか素敵なこといっぱいやってるから。
石:そうだよね。シネコンとかミニシアターとか枠がなくなってきて、面白い。福岡は独特でしょうからね。ミニシアターというミニシアターってKBCシネマさんだけだから。いいね、楽しみです!
上:ですね、『メランコリック』は10月18日からユナイテッド・シネマキャナルシティ13で公開予定です!
ジョーカー
石:では、次わたくし。
梅:部長!
石:部長なのか……!?石渡の注目作品は、『ジョーカー』。じゃあ、あらすじ担当を。
上:「『どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい』という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか? 切なくも衝撃の真実が明かされる!」という物語ですね~。
石:『ジョーカー』ですよ。もうね、ベネチア国際映画祭、先日ありましたね。金獅子賞受賞されました!おめでとうございます!
梅:何目線なの(笑)!
石:大快挙だと思います。これは、作家性の強いアート作品が受賞するっていうのがどうしても近年強かったけど。
梅:めっちゃ北野武っていう感じがある。
石:そうそう。だから、どうしても作家性強めに転ぶのかなと思いきや(ジョーカーが受賞しました)。まずその予告の時点で、映像が好き!っていう、映像の好みにものすごくはまっておりまして。あとはジョーカーっていうとただでさえハードルが高い。だから、ヒース・レジャーの後にジョーカー役やってくださいって言っても絶対嫌じゃん(笑)。え、嫌じゃない?
梅:いわくつき、的な。
石:っていうのももちろんあるし。役に入り込みすぎて、本当にジョーカーと化して最後まで遂げられたっていうのは……。ある意味それくらい力を入れて演じたっていうヒース・レジャーの魂の込めようが。
梅:憑依したよね。
石:そうだよね。で、「 そのあと誰だったら(ジョーカー役を)やれるのか問題 」について、ホアキン・フェニックスですって言われたら異論ございませんっていう……。この人、いろんな作品で観たんだけど、役によって全然顔が違うんですよ。本当に全然。同じ人?っていう感じで。例えば、『教授のおかしな妄想殺人』。エマ・ストーンと一緒にやったやつとかも、ホアキン・フェニックスだし。『ザ・マスター』って……あ、ポール・トーマス・アンダーソン作品だ。去年『ファントム・スレッド』観て、すごく素敵だなと思ってポール・トーマス・アンダーソン作品観てたんだけど、その中(『ザ・マスター』)で主演やってるのもホアキン・フェニックスで。すごくね、画がとてもきれいで。でも、カルト宗教の中に引き込まれていく(役を演じてるんですよ)。ちょっと狂ってる主人公をやらせたらピカイチ。『ビューティフル・デイ』とかもそう。
梅:ちょっと狂ってるから逆に自分と一線引けるのかもね。演じるほうも、狂ってる役ばっかりやってると普段の自分と一線引けるんじゃない?わかんないけど(笑)
石:何目線(笑)?ずっとホアキン・フェニックスが演じてきた狂気性みたいなものが、ジョーカーが多分、臨界点に達するじゃないけど、最大限に引き出されるんじゃないかと思って。私はすごく好みです。すごく観たい作品です。
梅:怖い?
石:いや、多分、怖いより切なさだったりを私は予告から感じた。まあ観てないんだよね。これ観てない作品をぐだぐだ喋っているんだけども。
梅:うん、観てない作品の紹介です。
石:とにかく予告編を観てほしいですね。ホアキン・フェニックスの表情と、ジョーカーのメイクが、 映像が重なってニィィって笑うやつ!その予告はぜひ観ていただきたいですね。その笑顔一発で狂気性が伝わるという作品です。私の観たい作品です。
( ↓コレコレ!観てみて! )
梅:これは、いろいろで上映されますね。
石:いつからですか?
上:10月4日からですね。
石:すぐだね!
上:1週目から公開で、だいたいシネコンだったらほとんど。
石:そうだよね。
梅:シネコンに行ってください!
石:10月の大型作品の1本だと思います。アカデミー賞もいけるというか、大本命だと私は勝手に予想しております!
以上、10月の注目作品を3本ご紹介しました!
鑑賞済み!オススメ作品
BUSHITSU TVの中では、メンバーが最近観たオススメ作品として、公開済みの以下3作品もご紹介しています。
さよなら、退屈なレオニー
梅:春から待ちわびた一作です!
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
石:今年ベスト10に入るかも?!まだまだ公開中です!
シヴァランジャニとふたりの女
上:アジアフォーカス・福岡国際映画祭観客賞受賞!個人的にも一押し作品!
以上、鑑賞済み作品の中からおすすめの3作品をご紹介しました!
10月に福岡で公開される作品一覧
これより下のページでは、10月に福岡で公開される(ほぼ!)すべての作品を一挙ご紹介。作品名をクリックすると公式サイトに移動しますので、お近くの上映館を探してぜひ劇場でお楽しみください!
10月4日公開
〈インド映画祭2019〉バシュランギおじさんと、小さな迷子 10日まで:ユナイテッド・シネマなかま16にて上映
〈インド映画祭2019〉 バーフバリ 伝説誕生《完全版【オリジナル・テルグ語版】》 10日まで:ユナイテッド・シネマなかま16にて上映
〈午前十時の映画祭10 – FINAL – 〉時計じかけのオレンジ 17日まで:福岡中洲大洋にて上映
〈午前十時の映画祭10 – FINAL – 〉スティング 17日まで:ユナイテッド・シネマなかま16にて上映
10月5日公開
「ジョン・ウィック : チャプター2」 「ジョン・ウィック : パラベラム」 1夜限りのダブルフィーチャー
くるみ割り人形と秘密の王国 18日まで:小倉昭和館にて上映
10月8日公開
ラスト・タンゴ・イン・パリ 《4Kデジタルリマスター版》 8日のみ:KBCシネマにて上映
10月11日公開
最高の人生の見つけ方 上映館はこちら
ガールズ & パンツァー 最終章 4DX 〜 第1話 + 第2話 〜
〈ダイニング・シネマ・セレクション vol.4〉ブラック・クランズマン 17日まで:ユナイテッド・シネマキャナルシティ13にて上映
〈インド映画祭2019〉バーフバリ 王の凱旋《完全版【オリジナル・テルグ語版】》 17日まで:ユナイテッド・シネマなかま16にて上映
〈インド映画祭2019〉SANJU / サンジュ 17日まで:ユナイテッド・シネマなかま16にて上映
10月12日公開
ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス 18日まで:小倉昭和館にて上映
さらば愛しきアウトロー 25日まで:大川シネマホールにて上映
10月15日公開
10月18日公開
〈午前十時の映画祭10 – FINAL – 〉時計じかけのオレンジ 31日まで:ユナイテッド・シネマなかま16にて上映
〈午前十時の映画祭10 – FINAL – 〉スティング 31日まで:福岡中洲大洋にて上映
〈ダイニング・シネマ・セレクションvol.4〉女王陛下のお気に入り 24日まで:ユナイテッド・シネマキャナルシティ13にて上映
10月19日公開
映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて
やさしくなあに 〜 奈緒ちゃんと家族の35年 〜 25日まで:小倉昭和館にて上映
シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢 11月1日まで:大川シネマホールにて上映
10月22日公開
慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ 22日のみ:KBCシネマにて上映
10月25日公開
キミだけにモテたいんだ。 上映館はこちら
〈ダイニング・シネマ・セレクションvol.4〉ビューティフル・ボーイ 31日まで:ユナイテッド・シネマキャナルシティ13にて上映
10月26日公開
10月29日公開
カニバ パリ人肉事件38年目の真実 29日のみ:KBCシネマにて上映
以上、10月に福岡で公開される(ほぼ)全作品のご紹介でした!
それでは、次回の更新もお楽しみに!
最後までお付き合いありがとうございました〜!